残存歯数と認知症

口腔内状況と認知機能との関連はこれまでに多くの報告があります。特に、残存歯数と認知機能には有意な相関が見られるという報告が多数みられます。

 

残存歯数が多いほど、嚥下機能が良好であり、必要摂取カロリーが維持されることが報告されていることから、義歯(入れ歯や差し歯等)が必要であることは明らかです。

 

さらには、単調になりがちな認知症高齢者の日常生活の中で、ʻ食事ʼは大切な心理的うるおいです。食事を介して、家族・介護者などの他者とのコミュニケーションも豊かになり、認知機能の維持の一助となります。

 

つまり咀嚼機能を維持することは、認知機能悪化の重要な予防策となり、生命予後の改善につながると考えられます。