皆さんこんにちは、今回は「顎関節症の一般的な治療法」についてお伝えします。
「顎関節症の治療はどのようにするのですか??」という質問が昨今とても増えています。
それだけこの顎関節症でお悩みの方が多いということでしょう。
まず、知っておいていただきたい世界的にも認められている治療方法の原則があります。
それは治療方法を選択する場合に、その治療による効果がなかったときに、患者さんにその治療による被害を残さない治療(可逆的な治療※)を選択すべきであるという考え方です!
(※「可逆的な治療」とは、いったん治療した状態からでも、また元の状態へ戻すことができるような治療法のことをいいます。)
具体的にいえば、かみ合わせを良くするための治療でも、
●歯を削る
●被せ物をする
●歯列矯正をする
といった不可逆的な治療は避けるべきです。
このような治療を受けても症状の改善がなかった場合、元の状態に戻すことができません。このような治療を行わなくとも症状を改善させることができます。
それはスプリント(マウスピース)、開口訓練、マッサージや湿布、習慣や癖を修正する行動療法などです。
〈歯科医院での良い治療例〉
一般的にはスプリント(マウスピース)による治療を行います。これは上顎あるいは下顎の歯列に被せるプラスチックの装置です。
これを夜間睡眠中に使用することで、夜間の無意識かみこみで生じる顎関節や筋肉への負担を軽減させます。痛みが強い時期には鎮痛薬も投与されるでしょう。
また、痛む部位にして近赤外線レーザーを照射する、あるいは電気刺激をすることで筋肉を自動的に収縮させて血液の流れを改善する場合もあります。多くの場合はこれらの治療によって、症状が消失します。
しかし治療開始から2週間経過しても改善傾向がない場合は、担当医に申し入れて専門医へ紹介してもらうといいでしょう。症状の改善がない場合に「歯を削ってかみ合わせを調整しましょう」と提案された場合は、その「咬合調整処置」は拒否することをお勧めします。
皆さん、顎関節症の治療をする際には、ぜひ正しい治療を受けるようにしましょう!